日本の本を読んでみる・外国語ではどう書いてる?

日本語や日本文化を学んでいる外国の人に、日本に興味をもったきっかけを聞いてみると、日本の文学作品を読んで感銘を受けて、という話が多いようです。海外でも日本の作品は多くその国の言葉に翻訳され読まれているようです。日本語を学ぼうとまで思ってもらえるほど影響力のある、日本の作品。どう訳されているのかちょっと気になりますね。

外国語で書いてある本を選んで読むにあたって、通常とは逆の発想をすることができます。日本の作家が日本語で書いた本の、外国語訳を読んでみるのです。この場合は原典となる日本語の本をあらかじめ読んでおくか、もともと知っている本の方が、楽しく読めると思います。この部分はこんな風に訳してあるんだ、とか、これは外国語ではこういうんだ、などと、発見がつきず面白いものですし、単語も頭に入りやすいようです。日本語で読んだ時に感動したこの箇所、外国語でこう表現すると伝わるんだということを教えてもらえたり、気になった会話文の訳文を覚えれば、実際の場面でよりこなれた外国語を話すことができるでしょう。

また、日本のマンガの、台詞や効果音が外国語に差し替えられているものもあり、それらを読んでみるのは、とっつきやすいし、ざくざく読めて、より楽しいかもしれません。内容もわかりやすいでしょうし、口語表現が満載になるので、「使える」言葉が増えていきます。いずれにせよ、日本語の本の外国語訳の方が、不思議と、もともとが外国語の本だったものよりも、読みやすいと思う場合があるようです。

日本の本の外国語訳は、書店で比較的手に入れやすくなっています(お値段はそうとも限りませんが・・・)ので、一度書店の語学の棚に行ってみて下さい。自分の好きなあの本が、外国語になっているのを発見できるかもしれません。余裕があるようなら、そして可能なら、ひとつの作品について複数の翻訳家の本を読んでみるとより勉強になります。海外の作品を日本語に訳する時でも、訳者さんによって大きく違う作品になるもの。その差を知れば勉強も深まるし、ひとつの日本語に対して複数の訳が使えるようになっていると、自分のレベルもアップします。

また、少し方向は変わるのですが、日本について書かれた外国の本を読んでみるのも、面白いものです。実際に使える文章の勉強になるのはもちろん、感覚の違いに驚いたり、説明の仕方に感心したりで刺激になります。海外からの目にはそんな風に映るんだな、と知る事で、こちらの視野がかなり広がります。さらに、知っているようで知らない日本のことについても発見や再発見があり、教えられることもたくさんあります。

扱っている内容が、自分の身に付いている日本のことだと、身体に持っている感覚と言葉が直接繋がるので、言葉そのものを身体にすりこむように理解し覚える事ができるようです。身近なことやものが教材になると、興味も持ちやすいし、日常生活をそのまま勉強場所にして、いつもいろんなことを外国語に置き換える習慣も身に付きますね。ぜひ、日頃親しんでいる日本の文字や文章、ことがらなどを、学習の教材に加えて見てください。